【目的・概要】
静岡県の漁業生産量は約20万トンで全国第6位と上位に位置している。また遠州灘や駿河湾、伊豆半島を有する静岡県海域の環境は砂泥から岩礁、浅海から深海と多様性に富み、船曳網によるサクラエビやシラス、定置網によるイカ・アジ・サバ等などが主要な漁獲物となっている。しかし、近年これらの沿岸漁獲量は減少傾向にあり、沿岸漁業の経営安定化や活性化が望まれている。また、盛漁期以外にも働く場と収入が得られるような新たな漁業や養殖業の展開が期待されている。本研究では、静岡県内の漁業の発展のために、由比における沿岸漁業の新たな展開の可能性を検討し、沿岸漁業の振興・活性化のためのモデルケースを提示する。また今後の事業具体化に向けた事業・研究計画を策定する。
【プロジェクト開始年度】
平成30年度
【実施者】
■由比港漁業協同組合 参事 海野剛裕(プロジェクトリーダー)
■東海大学 海洋学部 海洋地球学科 教授 植原量行
■株式会社鉄組潜水工業所 工事部 竹内昭人
■株式会社販売促進研究所 デザインマネージャー 青島光宏
【研究内容】
①由比周辺および駿河湾周辺の海洋環境の情報整理と水産生物への影響の検討
②由比周辺における有用海藻類の分布調査と増養殖方法の検討
③消費者・料理人調査とブランド開発会議による長期戦略の策定
【今後の展望】
由比漁協はサクラエビやシラスで有名ですが、海洋環境調査、アカモクなどの海藻の増養殖、アジなどの魚類のブランディングを3本柱にして、今後の漁業生産の向上につながる可能性を調査します。
海洋環境についてはサクラエビ資源動向などに関連する情報の提供、アカモクでは静岡市内の加工業者とのアカモクなどの商品化、魚類については倉沢アジに次ぐ魚種のブランド化が期待されます。