【目的・概要】
駿河湾は水深2,500mにも及ぶ深海領域を含み、深海魚をはじめとする多様な生命のゆりかごとなっている。この特殊な環境下において、そこに生息する「微生物」もまた多様であり、独特な種も含まれる。
本研究では駿河湾域から得られる微生物資源や未利用海産資源を対象とし、その生産化合物を分析する。これにより人類の健康長寿に寄与し得る、駿河湾深海産生薬の開発を目指す。
【プロジェクト開始年度】
平成29年度
【実施者】
■静岡県立大学 薬学部 生薬学分野 講師 恒松雄太(プロジェクトリーダー)、
講師 佐藤道大、教授 渡辺賢二
■静岡県立大学 食品栄養科学部 准教授 三好規之
■マルミ明神丸有限会社 代表取締役 實石正則
■静岡県水産技術研究所 上席研究員 小林憲一
【研究内容】
①駿河湾産・未利用深海資源の獲得
②深海生物随伴微生物の分離・培養・ゲノムDNA取得
③未利用深海資源に対する機能性の検証と素材発掘
【平成29年度までの成果概要と今後の展望】
由比漁港で採集された駿河湾深海域由来魚類の腸管から微生物を採集・培養し、大腸がんの原因となる病原菌に生育阻害効果のある2種の菌株が発見されました。
発見された2種の菌株について、その種の同定や病原菌に生育阻害効果の再確認、さらに人体への影響などを明らかにし、市内企業との連携による新薬開発への進展が期待されます。