【目的・概要】
我が国の魚介類の自給率は52%に過ぎず、大半を輸入に頼っている。漁業生産量は年々減少しているが、養殖業生産量は増加傾向で水産物の安定供給をはかるうえで重要な役割を担っている。
本事業では、カイコを用いて、クルマエビ急性ウイルス血症の原因ウイルス(White spot syndrome virus、WSSV)に対するワクチンを開発し、ワクチンとしてのフィージビリティスタディを行い、「カイコの生産に係る農業」と「養殖に関する水産業」の融合による新産業創出を目指す。
【プロジェクト開始年度】
平成29年度
【実施者】
■静岡大学 グリーン科学技術研究所 教授 朴龍洙(プロジェクトリーダー)
■静岡大学学術院 農学領域 准教授 加藤竜也
■水産研究・教育機構 増養殖研究所 魚病センター長 森広一郎
【研究内容】
①WSSV抗原候補遺伝子の入手及び組換えBmNPVバクミド化
②カイコへの組換えBmNPVバクミドの導入及び抗原候補タンパク質の発現
③カイコから抗原候補タンパク質の回収及び精製
④ワクチンとしての評価
【平成29年度までの成果概要と今後の展望】
エビ養殖で問題となっているホワイトスポット病ウイルスの抗原候補となる5つのたんぱく質をカイコで生産し、ワクチンとしてエビの病気に効果があるかを検証します。
これらの成果をもとに過去に盛んであった静岡市山間部のカイコ飼育基盤を活用した新たな養蚕業や市内の餌料企業との連携による抗ウイルス・エビ餌料の商品化などが期待されます。